痛みが伴う可能性のある処置を行う際、多くの場合は浸潤麻酔をいたします。
痛みを感じるのは主に、
1.麻酔針を刺入するとき 2.薬液を注入するとき です。
当院では、以下のことを意識し、麻酔時の痛みを少しでも軽減させることに努めております。
1.麻酔針を刺入するとき
〈表面麻酔の使用〉
注射前に麻酔薬の軟膏を刺入部位に塗ると、歯肉表面の感覚が鈍くなり痛みが感じにくくなります。お薬が十分に効いてくるのに必要なお時間を確保しております。
〈注射針の太さ〉
針先が細いほど痛みを感じにくいです。折れにくさも考慮した極細タイプのもの(カルプーレ 33G)を使用しております。
〈刺入部位〉
刺入部位によって、痛みの感じ方や必要な薬液の量、麻酔効果の奏功スピードが異なります。患者さんのご希望やお身体の状態に適した刺入部位を選択しております。
〈刺入時に貧血帯をつくる〉
刺入部位を軽く指で押さえ圧迫し、一時的な貧血帯を作ることで痛みを軽減させることができます。
2.薬液を注入するとき
〈注入スピード〉
極力圧がかからないように一定のスピードを保ち、薬液を注入することで、痛みを軽減させることができます。当院では、可能な限り圧のコントロールが行えるよう「電動麻酔器」を導入しております。また、痛みの少ない丁寧な麻酔を行えるよう十分な診療時間を確保しております
その他
〈薬液の温度〉
薬液は体温に近いほど、痛みを軽減させることができます。当院では、麻酔薬を適温に温めて使用しております。
〈脈拍・血圧の上昇防止〉
薬液の注入速度が速いと、血圧を上昇させたり、脈を速くする働きもあり、心臓がドキドキすることがあります。
当院では、薬液を一気に注入するのではなく、少量ずつ注入し患者さんの様態を確認しながら行っております。
〈麻酔薬の使い分け〉
基本的には止血目的と除痛目的を持つ「キシロカイン」を使用しておりますが、「キシロカイン」は、高血圧、動脈硬化、心不全、甲状腺機能亢進、糖尿病のある患者さんには原則禁忌となっております。
そのため、上記の患者さんの除痛目的には血圧の上昇が小さく、心臓への負担が少ない「シタネスト」もご用意がございます。